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海外ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険 まだらの紐」感想・評価:原作に忠実なジェレミー・ブレットのホームズは必見だ

サマリー


★★☆☆(そこそこ面白い)

1984年にイギリスで放映された「シャーロック・ホームズ」ドラマ
監督 ジョン・ブルース
原作 アーサー・コナン・ドイル
出演 ●ジェレミー・ブレット(戦争と平和、マイ・フェア・レディ、シャーロック・ホームズの冒険)
●デビット・バーク(シャーロック・ホームズの冒険)
●ジェレミー・ケンプ(シャーロック・ホームズの冒険)
●ロザリン・ランドー(シャーロック・ホームズの冒険)

シャーロック・ホームズの冒険 第6話 まだらの紐【日本語字幕】The Adventures of Sherlock Holmes

「まだらの紐」の朗読。

シャーロック・ホームズの冒険 より:『まだらの紐』 1

 

「まだらの紐」はシャーロック・ホームズシリーズの中でも特に有名な短編だ。アーサー・コナン・ドイルによって1892年に発表されている。実に今から126年も前だ。

1984年からイギリス グラナダTVで制作・放映された「シャーロック・ホームズの冒険」の中の一つだ(今から34年も前だね、日本ではNHKで1985年から放送された)。シャーロック・ホームズに最も近い俳優と言われたジェレミー・ブレットが主演している。

物語は原作に忠実に作られている。少々古めかしいが、原作当時のヴィクトリア朝の雰囲気が伝わってきてタマラナイ魅力を放っている。このTVドラマは10年間続き41話作成された。ブレットは残念ながら1995年に61才の若さで亡くなっている。

何故、今「シャーロック・ホームズ」なのか・・・今だにホームズ人気は衰えることなく、これを参考とした作品が次から次へと作り続けられているからだ。だから「原点」となるこんな作品を眺めてみるのも面白い。

ジェレミー・ブレットの頭脳明晰な語り口、堂々とした態度、事件解決の熱意など、原作から飛び出してきたホームズ像そのものだ。確かに演出上、昨今のスピーディなドラマから比較すればややおっとりしているがそこはご愛嬌だ。

話の筋を少し紹介すると、ヘレン・ストーナー(ロザリン・ランドー)が朝早くホームズを訪ねて来る。彼女は義父のグリムズビー・ロイロット博士(ジェレミー・ケンプ)に対し得体の知れない恐怖を感じていた。

彼女の双子の姉ジュリア(デニズ・アーモン)が二年前に密室で謎の死を遂げている。彼女は2週間後に結婚する予定になっていた。彼女は夜になると「口笛の音」が聞こえると恐怖を募らせており、息を引き取る前に「まだらの紐」と言い残している。

ヘレンも近々結婚が決まっている。ところが突然ロイロットから部屋を改装するから隣のジュリアがいた部屋に移れと言われたことも話す。ホームズは一刻の猶予もないと判断し、ヘレンが住む屋敷へ行くと伝える。

暫くしてホームズのところにヘレンのあとをつけてロイロットが現われる。そして娘にかまうと大変なことになるぞと脅しをかけすぐに帰って行く。

ホームズとワトソン(デビット・バーク)はヘレンが住む屋敷を訪ねる。都合よくロイロットは留守だった。彼らは姉ジュリアが住んでいた部屋とロイロットと部屋を確認する。

不思議なことにジュリアの部屋の壁にはロイロットの部屋につながる通気口があった。しかもその通気口には紐が垂れ下がっていた。ロイロットの部屋には金庫とミルクの入った小皿、さらに先が輪になった鞭が置いてあった。

ホームズは夜になったら明かりをつけ、鎧戸を開け、隣の改装中の部屋に避難しなさいとヘレン念を押し、自分たちは遠くから部屋を監視することとした。ヘレンの寝室に明かりがつき、鎧戸が開くのを確認し、近づきヘレンを避難させ、その部屋で様子をうかがう。

その時、「口笛の音」が聞こえホームズ達は身構える・・・・果たして何が起ころうとしているのか?

ネタバレとレビュー

ホームズは通気口付近を照らし、手に持った棒で何かを叩く。暫くして隣の部屋から鋭い悲鳴が聞こえた。隣の部屋に駆け付けるとロイロットが凄い形相で亡くなっていた。そして首にはまだら模様の蛇が巻き付いていた。

ロイロットは毒蛇を口笛とミルクで手なずけ、通気口を伝わらせて隣の部屋にいるヘレンを襲わせようとしたらしい。ホームズがその毒蛇を棒で叩き、追い返すことで、逆にロイロットが襲われたようだ。蛇の毒は強力で噛まれたら10秒以内で人間を死に至らしめる(実際にはこんな毒の強い蛇はいない)。

ロイロットは妻の遺言で、結婚した娘たちに彼女の莫大な遺産が分配されるのを恐れたようだ。二人の娘が結婚してしまえば彼はほとんど文無しになってしまう。

コナン・ドイルは密室殺人を毒蛇を使うことで完成させたようだ。しかし毒蛇が人間の手によって操ることが出来るのか、はなはだ疑問が残る。それに毒蛇は見境が無いから自分もヤラレてしまう。

しかし、この小説が書かれたのが今から126年前だ。そう考えると世界にはこんな強力な毒蛇が何処かにいると考えてもおかしくない。今のように情報が誰でも簡単に入手できるとは限らない、当時の読者はインドには恐ろしい毒蛇がいると信じられていたのかな。

このドラマを見ているとホームズとワトソンがコナン・ドイルが生きた時代を鮮やかにしかも生き生きと動き回っている様を見れるなんて贅沢だね。

予告編だ。

Huluオリジナル「ミス・シャーロック」予告

2018年4月から竹内結子主演で「ミス・シャーロック」が始まる。これも面白いかもしれない、ついにシャーロックが女性になるとは・・・。ちなみに「ワトソン」は貫地谷しほりが橘和都役で舞台は東京だ。

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