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「マンチェスター・バイ・ザ・シー」映画の感想・評価‐ケイシー・アフレックの代表作


サマリー

2017年5月日本公開のアメリカ ヒューマンドラマ映画
監督・脚本 ケネス・ロナーガン(ユー・キャン・カウント・オン・ミー、マーガレット、マンチェスター・バイ・ザ・シー
出演 ●ケイシー・アフレック(グッド・ウィル・ハンティング、オーシャンズシリーズ、ジェシー・ジェームズの暗殺、マンチェスター・バイ・ザ・シー
●ミシェル・ウィリアムズ(ブロークバック・マウンテン、マリリン7日間の恋、マンチェスター・バイ・ザ・シー
●カイル・チェンドラー(地球が静止する日ゼロ・ダーク・サーティマンチェスター・バイ・ザ・シー
●ルーカス・ヘッジズ(ゼロの未来、マンチェスター・バイ・ザ・シー
●グレッチェン・モル(13Fマンチェスター・バイ・ザ・シー

アカデミー主演男優賞受賞『マンチェスター・バイ・ザ・シー』予告編
マット・デイモンがプロデューサー、ケイシー・アフレックが主演を務め、数々の映画賞を席巻した人間ドラマ。ボストン郊外で暮らす便利屋が兄が亡くなったのを機に帰郷し、16歳のおいの世話をしつつ自身が抱える過去のトラウマと向き合う姿が描かれる。メガホンを取るのは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』などの脚本を担当してきたケネス・ロナーガン。共演には『ブルーバレンタイン』などのミシェル・ウィリアムズ、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのカイル・チャンドラーらが名を連ねる。 配給:ビターズ・エンド / パルコ 公式サイト:

アカデミー主演男優賞受賞『マンチェスター・バイ・ザ・シー』予告編

いい映画なんだけど、初めから最後まで暗い!落ち込んでいる時にはあまりお勧めできない映画だ。映画館はじじいと女性でいっぱいだった、女性の方がかなり多かった。

もの凄く地味なドラマだけど、演技派が揃っていて登場人物に血が通っている。物語が丁寧に作られ、映像も美しく画面に映える。そしてストーリーの合間に主人公の回想が挟み込まれる。

これだけの作品を何故ハッピイエンドにしなかったかよく分からない。結末が現実に即しすぎて玄人受けはするがエンタメとしては不発だったように思う・・・ドラマチックに終わって欲しかった。

第89回アカデミー賞に6部門ノミネートされケイシー・アフレックが主演男優賞、監督のケネス・ロナーガンが脚本賞を獲得している。

舞台はアメリカの東海岸、マサチューセッツ州ボストンの少し上にあるマンチェスター・バイ・ザ・シーと言う寂れた港町なんだ・・・港町の名前がそのまま映画の題名になっている。

主人公のリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)は心が壊れた男だ、永遠に心のキズが癒えることは無いだろうと思う。

彼はボストンでアパートの管理人として地域から隠れるように暮らしている。無愛想で誰とも打ち解けない。

彼のところに兄ジョー(カイル・チェンドラー)の訃報が入る。彼は久しぶりに港町に帰るが悲惨な思い出がよみがえり、ここにはまだ住めないと自分を責める。

ジョーは息子パトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人としてリーを内緒で決めていた。兄が唯一頼ったのは弟のリーだったのだ。

リーはしばらくパトリックと暮らす。パトリックは二人の彼女といちゃつきながら平静を保っているように見えたが、ふとしたことでパニック発作を起こす・・・彼も深い悲しみに暮れていた。

ジョーは妻のエリーズ(グレッチェン・モル)と離婚しパトリックを男手ひとつで育てていたんだ。リーは兄の葬式の手はずから財産の処分や管理を弁護士と相談しながら進める。

彼はパトリックをボストンに呼び寄せて暮らすことを考えていたが、地元を離れたくないパトリックは了解しない。

彼は偶然にも元妻ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)に道端で出会う。彼女は再婚し子供も出来ていた、彼女の心も壊れていたが、今ではかなり立ち直ったようだ。

リーはランディに謝罪するが、彼女は自分がリーを責め続けたことを後悔していた。リーは今だに自分が起こした惨劇から逃れられない、涙ながらに彼女に許しを請う。

リーは兄の遺言とこの港町の記憶に挟まれ押しつぶされるようになる。パトリックは叔父さんであるリーを頼るのだが・・・。

ストーリー

リー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)はボストンのアパートの管理人として働いている。住むところは半地下室の暗い部屋で、賃金も安い。

彼のところに兄ジョー(カイル・チェンドラー)の危篤の知らせが届く。リーは急いで駆け付けるが兄は一時間前に亡くなっていた。

リーは兄が心臓病を抱え余命5~10年であることを知っていた。兄の元妻エリーズ(グレッチェン・モル)は耐えきれなくって酒びたりになり、離婚して今は何処にいるのか分からない。

リーは兄の息子パトリック(ルーカス・ヘッジズ)を迎えにアイスホッケー場へと急ぐ。彼は兄とパトリックとよく釣りに出かけたことを思い出す。

そして昔住み慣れた港町マンチェスター・バイ・ザ・シーを車で走ると元妻ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)と子供たちとの満ち足りた日々をふと思い出す。

アイスホッケー場でパトリックを車に乗せ、病院へと急ぐ。パトリックは死体安置所で冷たくなった父を見てすぐにそこを立ち去る。

パトリックは平静を装い、家に彼女のシルヴィーを泊めて寂しさを紛らわす。リーも兄の家に暫く滞在することになる。

次の日彼はパトリックと兄の遺言を聞くため弁護士事務所を訪れる。そこでなんと、パトリックの後見人は自分であることが分かって呆然とする。

兄はリーに内緒でこのことを決めていた。兄の家も保有していた船のローンもすべて完済され、リーの引っ越し費用まで用意されていた。兄は弟を一番信頼し息子と一緒に住んでもらいたいと考えていた。

リーはおぞましい記憶を思い出す。彼は自宅に仲間をよんで真夜中過ぎまでどんちゃん騒ぎをしていたが、ランディの文句で飲み会はお開きになる。

そのあと彼は近くのコンビニまで酒を買いに出かける。出かけに家が寒いので暖炉に火をつけ薪をくべたが、薪が飛び出すのを防止するスクリーンを立て掛けるのを忘れたようだ。

リーが戻ってくると大変なことに自宅が火の海になっていた。一階に倒れていたランディは何とか救出されたが、二階に寝ていた幼い二人の娘と生まれたばかりの息子は焼け死んでいた。

リーはこの出来事で心が壊れる。警察の事情聴取で全てを話したが、スクリーンの立て掛忘れは不可抗力で罪にはならなかった。リーはとっさに警官の銃を奪い自殺しようとするがみんなに押さえつけられる・・・これらの記憶は頭から離れない。

リーは一旦は後見人を引き受け、葬儀の段取りや色々な手続きを進める。彼のもとに元妻のランディから葬儀への出席を求められる。そして彼女は新しい伴侶との間に子供が出来たことも打ち明ける。

ジョーの遺体は土が凍っているため春まで埋葬できない。リーは兄の遺体を冷凍保存することを決めたが、パトリックは気がのらない。パトリックは冷蔵庫の冷凍食品を見て、父を氷漬けにしたくないと取り乱す。

リーはパトリックにボストンに来るよう説得するが、彼はここに残りたいと主張する・・・リーは途方に暮れる。

ネタバレとレビュー

リーのところに兄の元妻エリーズから電話が入るが、内容を聞かずに切ってしまう。このことは母とメールのやり取りをしているパトリックに知られることとなり、彼はリーをなじる。

パトリックの母親は婚約者のジェフリーと暮らしていた。彼は母親を訪ねるが、彼女の新しい家庭にはなじめなかった。

リーは兄の船を処分したかったが、パトリックが嫌がった。船のエンジンやモーターはガタが来ていて、この先メンテナンスに費用が掛かるからだ。仕方なくリーは兄の遺品を売って船のモーターを交換し、船をしばらく所有することとした。

リーはランディと偶然 町で出会う。彼女はベビーカーを押していて幸せそうだった。彼女はリーを責め続けたことを詫びる。リーは「自分はなんとも思っていない」「幸せになれ」とその場をあとにする。

でも彼はバーで酒に酔ってケンカし、同僚のジョージに介抱され、泣き続ける。彼にとってはこの町に住むことは耐えられない。

彼はジョージ夫妻と話し合い、パトリックを養子として育ててもらうこととした。パトリックはジョージ夫妻と一緒に住み、兄の遺産は彼らに養育費として渡すことになる。

マンチェスター・バイ・ザ・シーに春が来た。ようやく兄の遺体を埋葬することが出来た。リーはパトリックに「今、自分が住む予備の部屋があるアパートを探している」と言う。

パトリックは「何で」と聞く。リーは「お前が遊びに来るからだ」と答える・・・。

兄のジョーはリーとパトリックが一緒に暮らしてくれることを望んでいたんだ。でもリーはこの町ではどうしても暮らすことが出来ない。

彼にとってはつらすぎる過去を引きずっているからなんだ。パトリックも母親に捨てられて一人ぼっちだ、やはり後見人のリーが一番頼りなんだね。

リーはボストンに住みながら、パトリックの後見人として彼を見守って行く決意をする・・・将来、キズが癒えれば二人一緒に暮らすかも知れない。

非常に暗いドラマだけど、登場人物の心の奥底が伝わってくる。アメリカンならもっと心にグッとくるかもしれないけど、ネイティブでないと分からない部分も多いと思う。

僕が感動したのは、リーが亡くなった3人の子供の写真を常に身近に置いておくところだ。その写真をパトリックが偶然見るんだけど、彼は叔父さんがいまだに過去の過ちに苦しんでいることを理解する・・・さりげないがニクイ演出だ。

こんな地味な映画は全国の映画館ではやらないから、上映館探しに苦労する・・・僕はこれを見に銀座まで行くしかなかったからね。

TATSUTATSU

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