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映画「ハクソー・リッジ」感想・評価-涙が止まらないヒューマンドラマだ


サマリー

2017年6月日本公開アメリカ戦争映画
監督 メル・ギブソン(監督作品:ブレイブハート、パッション、ハクソー・リッジ
出演 ●アンドリュー・ガーフィールド(ソーシャル・ネットワーク、アメイジング・スパイダーマン、沈黙-サイレンス-ハクソー・リッジ
●ヴィンス・ヴォーン(ザ・セルハクソー・リッジ
●サム・ワーシントン(ターミネーター4アバター、タイタンの戦い、ハクソー・リッジエベレスト3D
●ヒューゴ・ウィーヴィング(マトリックスシリーズロード・オブ・ザ・リングシリーズ、ホビットシリーズ、クラウド アトラス、ハクソー・リッジ
●テリーサ・パーマー(魔法使いの弟子、ハクソー・リッジ

『ハクソー・リッジ』本予告編
本年度アカデミー賞2部門受賞! 第2次世界大戦末期、激戦地の<ハクソー・リッジ>の戦いで、戦場の常識を覆し、1人で75名の命を救い続けた兵士がいた。 10年ぶりに完全復活を遂げたアカデミー賞監督、メル・ギブソンが放つ、映画史を塗り替える衝撃の実話が誕生した!

『ハクソー・リッジ』本予告編

映画を観に行ったけど、涙が止まらなかった。お薦めと言うより、残酷な場面が多いけど見るべき作品だと思う。沖縄戦が舞台となっている。1945年5月のことで僕が生まれるかなり昔の出来事だ。

「ハクソー・リッジ」とはノコギリ(ハクソー)で垂直に切断したような崖(リッジ)のことだ。150mの絶壁を登るとそこで待ち受ける日本兵との壮絶な戦いが待っている。

日本名は前田高地、首里に向かって進軍するアメリカ軍をここで迎え討った。アメリカ軍の先発隊は6回崖を登って攻撃したが、全部撃退され、総崩れとなった・・・日本も死に物狂いだ。

そこに映画の主人公デズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)が属する第77師団が後を受け継ぐことになる。

「ハクソー・リッジ」は血で血を洗う白兵戦(銃、銃剣、手りゅう弾、ナイフによる接近肉弾戦)で両軍とも大きな損害を出している。

映像では手足が吹き飛び肉が散乱する、さらにはらわたがはみ出したり、兵士の死体には蛆がわき、ネズミが群がる。

デズモンドは衛生兵としてこんな激戦地で武器を持たず、負傷兵を次から次へと救出する。助からないと思われるような重傷兵や日本兵も含まれていた。

彼は敵弾をかいくぐりながら75名もの負傷兵を救出している。この行いには驚嘆するし、「私は人を殺さない、人を助ける」との信念には目頭が熱くなる。

彼は銃弾の雨の中をただ一人走り回るが、弾が当たらずに生還できたのは、何か超自然的な力(神か)が働いたのかもしれない。そんなデズモンドも最後には負傷してしまう。

彼は5月21日に戦場を去り、日本は8月15日の終戦を迎える。そしてデズモンドは10月12日にトルーマン大統領から「良心的兵役拒否者」として初めて名誉勲章を授与される。

彼の物語を通して、戦争とは何なのか、どうして人は人を殺さなければならないのかと素朴な疑問がわき起こってくる。

この映画では決して日本兵を悪者扱いしていない、制空権も制海権もない圧倒的に不利な状況で極限の戦いに臨んでいる。最後に日本軍の司令官 牛島満中将が責任を取って腹を切る場面が挿入されている。

第89回アカデミー賞において6部門ノミネートされ、録音賞と編集賞を獲得している。戦争映画と言うより、「デズモンド・T・ドス」のヒューマンドラマと言うべきかもしれない。

ストーリー

ヴァージニア州で育ったデズモンドは弟と一緒に野山を駆け回るのが好きな少年だった。でも彼の父トム(ヒューゴ・ウィーヴィング)は第一次世界大戦で心に傷を負い酒におぼれ、妻のバーサ(レイチェル・グリフィス)とケンカが絶えない。

成長した彼は看護師のドロシー(テリーサ・パーマー)に一目ぼれする。第二次世界大戦が激しくなり、デズモンドの弟や周りの人間がどんどん志願してゆく。

彼は敬虔なキリスト教徒で「汝、殺すことなかれ」と言う教えを守ってきた。そして自分も衛生兵であれば国の役に立つと軍隊に志願する。

軍隊ではグローヴァー大尉(サム・ワーシントン)の部隊に配属され、パウエル軍曹(ヴィンス・ヴォーン)から軍隊の厳しさをたたき込まれる。

ところが銃の訓練になった時、デズモンドは銃を持つことを拒否する。それを境にして隊の仲間からいじめられ顔にあざを作る。

グローヴァー大尉から「戦争とは敵を殺すことだ、出来ないなら除隊しろ」と命令される。それでもデズモンドは自分の信念を曲げなかった。

彼は上官からの命令拒否と言う理由で軍法会議にかけられる。会議で彼は「皆は殺すが、僕は助けたい」と主張する。彼は軍法会議で有罪となるはずだったが、父親トムに救われ無罪となる。

トムは大昔の上官で今では准将となっていた人物を介し息子の主張が正しいことを示した書簡を議長に手渡したのだ。その書簡とは「銃を持つことを拒否しても違法ではない」というものであった。

デズモンドは衛生兵の訓練を受け、戦場へと向かうここになる。しかし武器を持たない兵士が地獄のような戦場で役に立つのか、そして自分の身を守ることが出来るのか・・・。

ネタバレとレビュー

アメリカの軍艦から高地めがけて激しい艦砲射撃が行われる。その後兵士たちは崖に取り付けられた縄梯子をよじ登り高地へと進む。

暫く進んだところで、何処からともなく現れた日本軍と激しい銃撃戦となる。彼らは高地に縦横無尽に掘り進められた地下トンネルに潜んでいたのだ。

味方の兵士が次々と倒れる。デズモンドは衛生兵として負傷兵の手当てに駆けずり回る。日本軍の激しい攻撃によって仲間が次々の倒れる。このままでは全滅すると判断したグローヴァー大尉は一時撤退を決め、アメリカ軍は一旦引き上げる。

ところが一人残ったデズモンドは負傷兵を救出しようと倒れた兵士のもとに駆け付け「俺が家に帰してやる」と応急処置をする。

彼は負傷兵をかついだり、引きずったりと崖の近くまで運び、彼らをロープで崖の下に降ろす。この作業を夜を徹して行う。夜が明けると日本兵が現われるが死体の下に隠れたり、日本兵が作った地下トンネルに隠れたりと敵をやり過ごす。

彼は重傷の兵士や日本兵まで救出する。そして敵に追われるように崖をロープを使って滑り降り生還を果たす。彼の両手はロープを滑らせたために擦り切れ、血がにじむ。

体制を整えたアメリカ軍は再度 崖を登って日本軍と激しい肉弾戦を再開する。敵のトーチカ(コンクリートで強固に固めた陣地)を破壊し、火炎放射器による地下トンネルの制圧によって、勝敗は決する。

それまで戦場を駆け巡って仲間を救出していたデズモンドは足を負傷し、今度は自分が担架で運ばれる。彼は5月21日に戦場を後にする。

この前田高地が陥落したことによって、アメリカ軍は5月31日首里を占領する。6月23日沖縄防衛第32軍司令官 牛島満中将が責任を取って腹を切る。7月2日アメリカ軍が沖縄作戦の終了を発表し、8月15日終戦を迎える。

デズモンドは50人救出したと言っているが目撃者の証言では100人くらいは救出していたらしい・・・従って公式にはその中間の75人としたようだ。

メル・ギブソン監督の徹底したリアリズムによって残酷な場面が多い、でもそんな中を駆け抜けるデズモンドの姿は悲惨さを通り越して「神」のように見える。彼は退役して2006年に87才で亡くなっている。

彼を支えたのは何と言っても妻のドロシーだと思う。そう考えると、戦争映画と言うより「愛情物語」と言った方が良いかもしれない。

TATSUTATSU

 

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