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映画「クリーピー偽りの隣人」感想・評価‐子が親を殺す極限の世界は現実にもあり得るか


サマリー

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2016年公開の日本サイコパスホラー映画
監督 黒沢清(CURE、回路、トウキョウソナタ)
原作 前川裕 「クリーピー」
出演 ●西島秀俊(Dolls、休暇、劇場版MOZU)
●竹内結子(黄泉がえり、春の雪、チーム・バチスタの栄光)
●香川照之(トウキョウソナタ、あしたのジョー、アンフェア)
●東出昌大(桐島、部活やめるってよ、デスノート、聖の青春、デスノート)

『クリーピー 偽りの隣人』予告編
『アカルイミライ』などの黒沢清監督がメガホンを取り、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた前川裕の小説を映画化。隣人に抱いた疑念をきっかけに、とある夫婦の平穏な日常が悪夢になっていく恐怖を描く。黒沢監督とは『LOFT ロフト』に続いて4度目のタッグとなる西島秀俊が主演を務め、彼の妻を竹内結子が好演。そのほか川口春奈、東出昌大、香川照之ら豪華キャストが集結している。

『クリーピー 偽りの隣人』予告編

怖い映画だ「クリーピー」とは「ぞっとする」と言う意味なんだけど、本当にゾッとする映画だ。

自分の家の隣にサイコパスの隣人が住んでいる。最初は「おかしな人」ぐらいに考えていたのが、この男が実は底なしの悪魔のような男だったとは・・・。

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でももっと怖いのは、人間が極限状態に置かれた時、簡単に「マインドコントロール」されてしまう事なんだ。

そして「マインドコントロール」にかかった少女は自分の親・兄弟であっても虐待して殺してしまう。

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現実世界でも親が子供を平気で殺してしまう事件が時々ニュースになる。逆に子供が親を殺してしまう事件だって発生している。

これらをサイコパス(精神病質、反社会性人格障害)の特殊な人間だけの仕業だと考えてはいけないのかも知れない。

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誰しも閉鎖空間(家・部屋)で親から毎日虐待されて生活していれば、自分の「命」を守るための異常行動を取るなんてことも否定出来ない。

黒沢清監督 独特の暗い映像と、出演者がみんな不気味に見える演出が凄くサスペンスを盛り上げる・・最後まで「ぞくぞく」して観ちゃう。

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そして香川照之の「良心を持たない人間」の演技が凄い。人間の皮をかぶった悪魔と言うより「自分が楽しく生きるために他人を利用して何故が悪いの」的な発想が底知れない恐怖を呼ぶ。

僕も長い人生の中で、こんな人間(この映画ほどひどくはないが)に出くわしたことが何回かある。誰しも「サイコパス」に遭遇する危険性は避けられないと思う。

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会社人事課の重要な仕事の一つとして、「社内でいかにしてサイコパスを見つけるか」「入社時にサイコパスを入社させないこと」があるらしい。

万が一「サイコパス」がトップに上り詰めてしまったら、会社を潰してしまうかもしれない、ちょくちょくそんな事を連想させる記事を見かける・・・怖いね。

ストーリー

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高倉(西島秀俊)はある事件がもとで刑事を辞め、東洛大学で犯罪心理学を教える教授になっていた。

彼は6年前の日野市一家失踪事件に興味を持ち、昔警視庁の後輩だった野上刑事(東出昌大)に協力する形で調査を始める。

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日野市の一家、本多夫婦と長男が失踪していた、そして当時現場にいなかった長女(当時中学生) 本多早紀(川口春菜)だけが取り残されたように生存していた・・・不思議な事件で未解決だ。

彼らは本多早紀の了解を得て雑談という形で再尋問する。早紀の話には一貫性が無く、どことなく腑に落ちない点があった・・・それに彼女の心の中には闇に近いものがあった。

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彼女の両親と兄(高校生)は、見知らぬ男に怯えていたようだ(或いは支配されていたようだ)と高倉に話をした。

ここで初めて謎の男が浮かび上がってくる・・・そいつは一体誰なのか?そして彼女はその男をお隣の水田さんの家の庭で見かけたと言う。

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高倉は妻の康子(竹内結子)と家を引っ越したばかりで、隣に住む西野家にあいさつに行くが、出てきた主人の西野昭雄(香川照之)は変人であった。

彼は妻と娘の澪と3人暮らしとのことであったが、妻を見たことはなかった。しかもしつこく高倉と妻の康子に面白いものを見せるからうちに来てくれと誘う。

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野上刑事は本多早紀の話の通り、彼女の隣人 水田家を訪問する。誰も住んでいない様子で、中に入ってみると凄い異臭が漂っていた、そして押し入れの中からビニール袋に包まれた遺体を発見する。

遺体は5体発見され、失踪したと思われていた本多家の3名と水田家の夫婦2名であった。それでは3年前から水田家に住んでいた男とはいったい誰なのか?

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そんな時西野の娘 澪が突然 高倉の前に現れ、あの男は私の父ではなく、全く知らない男だと言う。高倉は愕然とする・・・彼女の嘘かそれとも真実か?

それにどうも最近、妻の様子がおかしい、こそこそと高倉に隠れて電話するようになった。

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そして高倉は偶然、自分の家と西野家の家の立地関係が本多家と水田家のそれと良く似ていることに気が付く。そして彼は西野を調べてほしいと野上刑事に依頼する。

野上刑事は西野の顔写真が載った書類を持って西野家を訪問するが、そこから行方知れずになってしまう。そして西野の隣の田中家から大きな爆発があり、家が大火で全焼する。

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警視庁の谷本刑事(笹野高史)が高倉を訪問し、田中家から3体の焼死体が発見され、一体は野上刑事であると極秘情報を教えてくれた。

さらに高倉の妻 康子の様子がどんどんおかしくなってゆく。彼女の腕には注射の跡があり、西野と名乗る男によって「マインドコントロール」されたのか、もうあの男から逃れられなくなっていた。

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高倉は西野と名乗る男が日野市の本多家のみならず水田家の人々、更に田中家や野上刑事を殺した犯人だと確信するようになる・・・果たして、彼の刑事としてのカンは正しいのか?

ネタバレとレビュー

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どんどん、どんどん恐怖が増幅してゆく。西野と名乗る男が本性を出し始めた。

西野家には防音室らしい鉄の扉らの部屋があり、その中には西野夫婦が監禁されていた、もうすでに夫は死んでおり死体はビニールの圧縮袋に入れられていた。

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本当の西野の妻は辛うじて生きており、麻薬づけにされてもうろうとしていた。彼女の実の娘 澪は西野と名乗る男にマインドコントロールされ、この男の言うことを聞くばかりだ。

谷本刑事も西野と名乗る男の毒牙にかかって殺される。

そして野上刑事が残した拳銃を澪に渡し、実の母親を殺せと命じられる。ところがさすがに澪は出来ない。男は彼女から拳銃を取り上げると母親を面倒くさそうに打ち殺す。

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その部屋に入ってきた康子も西野と名乗る男の言いなりになりつつあった。澪と康子は死体を片付けさせられる。

西野の家に入ってきた高倉は恐怖で顔が引きつるが、西野と名乗る男を追い詰めようとする。その男は高倉に拳銃を向けるがなかなか撃とうとしない。

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そんな時にマインドコントロールによって理性を失った康子によって、後ろから薬物を腕に注入され、高倉も囚われてしまう。高倉を殺さないのは彼に財産があるからだ。

西野と名乗る男はもう西野家を引き払い、高倉・康子・澪を引き連れまた別の場所に「カモ」を求めて車で移動しようとしていた。

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西野と名乗る男は高倉の犬は連れいゆけない、犬を打ち殺せを高倉に銃を渡す。

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高倉は銃を受け取ると西野と名乗る男に銃を向け、弾倉が空になるまで打ち続けた。高倉は麻薬漬けにされていたが辛うじて正気を失ってはいなかった。

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彼がマインドコントロールにかからなかったのは、犯罪心理学者としての知識があったからかもしれない。

西野と名乗る男は正体のわからぬまま倒れて動かなくなった。

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怖い映画だね、見終って「ゾッ」とする・・・もの凄く後味の悪いサスペンス映画だ、さすが黒沢清監督だ。

彼の映画、本当に暗くて怖い・・・。人間、マインドコントロールにかかったら支配者の言うことを何でも聞いてしまうのがこの映画の「キモ」だ。

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西野と名乗る男は何人もの人間を無残に殺しておきながら、電車では老人に席を譲ったり、犬にじゃれられたら被害者を装ったり、自分の弱みをワザとさらしたり、高圧的な態度を急にとったりと次の行動が全く読めない。

男は中学生の少女を恐怖によって、マインドコントロールし、自分の手を汚さず、嫌なことをすべて少女に押し付ける・・・衰弱している両親の世話や、死体の処理も、男の言うがままだ・・・この映画の本多早紀、澪、がそうだ。

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「サイコパス」は外見では分からないから、おかしいなと思ったか近づかないことだ・・・いい教訓だ。

サイコパスには「秩序型」「無秩序型」そしてどちらにも属さない「混合型」があるようだが、この映画に出て来る異常な男は「混合型」と呼ばれる、精神分析不可能な男なんだ。

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全く行動の予想がつかないから、このタイプの犯罪者はなかなか捕まらないと言われている。

「君子危うきに近寄らず」がBESTだと思うけど、ひょっとして上司が「サイコパス」だったら逃げられないよねー。

サイコパス映画「秘密 THE TOP SECRET」を参考に。

血も凍る日本のサイコパス映画ベストテン」もアップした。

TATSUTATSU

 

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