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映画「完全なるチェックメイト」感想・評価‐チェスの天才は気違いと紙一重なのか


サマリー

完全なる

2015年日本公開のアメリカ ヒューマン映画
監督 エドワード・ズウィック(ラストサムライ、ジャック・リーチャー
出演 トビー・マグワイア(サイダーハウス・ルール、スパイダーマンシリーズ)
ピーター・サースガード(ニュースの天才、ブルージャスミン
リーヴ・シュレイバー(スクリームシリーズ、ジゴロ・イン・ニューヨーク
マイケル・スタールバーグ
リリー・レーブ(幸せのレシピ

トビー・マグワイアが実在のチェスプレイヤーを怪演!映画『完全なるチェックメイト』予告編
『マイ・ブラザー』などのトビー・マグワイアが実在の天才チェスプレイヤー、故ボビー・フィッシャーを怪演した白熱の心理ドラマ。米ソの冷戦時代、盤上での代理戦争を死にものぐるいで戦ったアメリカの奇才対ソ連チャンピオンの手に汗握る対戦を活写する。貫録ある世紀のライバルを『ラスト・デイズ・オン・マーズ』などのリーヴ・シュレイバーが熱演。変わり者の奇才の波瀾(はらん)万丈の人生と、緊張感あふれる頭脳戦に手に汗握る。

トビー・マグワイアが実在のチェスプレイヤーを怪演!映画『完全なるチェックメイト』予告編

何百年かに一度生まれるかどうかのチェスの天才ボビー・フィッシャーの物語だ。

僕はチェスのルールも知らないしやったこともない。

** FILE ** Chess star Bobby Fischer is seen in New York, in this April 28, 1962 file photo. U.S-born Fischer, who renounced his U.S. citizenship, has died at the age of 64 at his home in Reykjavik, Iceland's Channel 2 television reported Friday, Jan. 18, 2008. Credit:John Lent/AP

実物のボビー・フィッシャー

でも、この映画を見てチェス人気の凄さや奥深さに少し触れた気がする。

彼の頭の中には常にチェス盤と駒がぐるぐる回っているような状態なんだ。

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若いころのフィッシャー

ボビーはわがままで傲慢で変人だ、凡人を見下してるし馬鹿だと思っている。そして彼が唯一心を許すのは姉のジョーンだけ。

そんな彼が1972年、チェスの世界王者決定戦でソ連の世界チャンピョン ボリス・スパスキーに挑む。

Zentralbild/Kohls/Leske 1.11.1960 XIV. Schacholympiade 1960 in Leipzig Im Ringmessehaus in Leipzig wird vom 16.10. bis 9.11.1960 die XIV. Schacholympiade ausgetragen. Am 28.10.1960 begannen die Kämpfe der Finalrunde. UBz: UdSSR - USA: .Weltmeister Tal - Internationaler Großmeister Fischer

当時は冷戦のさ中、米ソの代理戦争と言われた。

彼らの元にはニクソン大統領、ブレジネフ書記長などから激励の電話が入る。

この世界王者決定戦でボビーは第一局を負け、第二局目 試合をすっぽかす・・・もう絶対絶命のピンチだ。

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しかし第6局においてボビーは誰もが予想出来ないような神の一手を打つ。

この神の一手に世界が騒然とする・・・王者のボリス・スパスキーでさえも彼を称賛する・・・さて試合の行方はどうなるのか。

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1972年スパスキー対フィッシャー戦

この映画のコピーは「神の淵を歩いた男たち」の物語となっている。神の淵から滑り落ちれば、待っているのは「狂気」なのか「自殺」なのか・・・。

ストーリー

ボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)は世界王者決定戦の第二局、試合をすっぽかす。

チャンピョンのボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイバー)は不戦勝となり、二ポイントを連取する。

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時は遡って、1951年のニューヨーク、ボビーは8才、異常に神経質で敏感な子供だった。

彼は姉のジョーンに与えられたチェスに夢中になる。そして彼はカーマイン・ナイグロ(ニューヨークで25位にランクされるチェス名人)に見出されるが、それまでは独学でチェスを覚えたようだ。

ボビーは14才で全米チャンピョンになる。

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彼は母親レジーナといつも衝突する。彼女はボビーの知らない男をいつも家に連れ込んでいた。

そしてレジーナはボビーを家に残して去って行く。

ボビーはどんどんチェスが強くなってゆくが同時にどんどん傲慢になってゆく・・・ついにカーマインもさじを投げる・・・ボビーはしばらくチェスから遠ざかる。

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ボビーは王者スパスキーのチェス情報が欲しいため、頻繁にソ連に関する本屋に出入りする。そのことがFBIに共産スパイと疑われ、尾行されたり、盗聴されたりする。

ボビーは弁護士のポール(マイケル・スタールバーグ)とセコンドのビル・ロンバーディ神父をしたがえてソ連との友好チェス大会に出席する。

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彼は世界3位のイワノビッチに圧勝する、そして8連勝する。

しかし王者スパスキーには勝てなかった。彼は2位のメダルを受け取らず会場を後にする。

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ボビーはスパスキーを倒すために国際試合に復帰する。

そして勝ち続けてゆくが、少しずつ精神に異常をきたし始める。姉のジョーン(リリー・レーブ)はそれを察知しボビーに会わせろとポールに要求する。

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ポールは「ボビーは500年に一人の天才だ」そして「彼の狂気から生まれるプレイは想像を超える美しさだ」と絶賛する。

さらに「グランドマスター達は彼のプレイを見て涙を流す」「彼はブルックリンのダ・ヴィンチ」とまで言う。

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これを言われては姉のジョーンは引き下がるしかなかった。

ボビーは勝ち進み、スパスキーとのすべてを掛けた因縁の闘いが始まる。

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レビュー

この映画でビル・ロンバーディ神父は「チェスはうさぎの穴だ」と言っている。

そして「4手進めば3000億通りの可能性を考える。1ゲーム40手数(てかず)以上なら銀河の数だ」だから精神状態は極限を超えかねない。

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さらに「かつてボビー以上の天才と言われたモーフィー(1855年代のプレイヤー)は26才でチェス界を去り、その後自殺している。」・・・。

神父は昔スパスキーやボビーにも勝ったチェスの名人だ。

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神父の話を聞くとチェス界のトッププレイヤー達は、命を削って勝負しているんだなーと思う。

こんな天才と狂気が宿ったボビーをトビー・マグワイアはうまく演じきっているのは評価する。

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でもチェスがある程度分かる人なら、ボビーのプレイを見て感動するかもしれないが、残念ながら僕にはさっぱり分からない・・・この点はしょうがないのかなー。

いい映画だが、ボビーになかなか感情移入できないことと(天才には感情移入出来ないね)、映画がやや地味すぎて盛り上がりに欠けたような感じがしないでもない。

NARITA, JAPAN - MARCH 24: Chess legend Bobby Fischer appears at New Tokyo International Airport for a departure March 24, 2005 in Narita, Japan. Fischer was released from custody in Japan March 24, 2005 after nearly nine months in detention. He is scheduled to depart for Denmark en route to Iceland. (Photo by Junko Kimura/Getty Images) *** Local Caption *** Bobby Fischer

ボビーは何億通りの可能性があっても正解は一手だけだと言い切っている。天才は瞬時に盤面を読めるんだ・・・やっぱり凡人には分からない映画だ。

ところでボビーは晩年(2000年ころ)日本女性の渡井美代子(元日本チェス協会会長代行)さんと事実婚してたなんて・・・日本になじみの深かった人なんだ。

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日本に何年か滞在して温泉を愛していたようだ。2005年に日本からアイスランドに出国し、かの地で市民権をとっている。

そして2008年に64才で永眠している。

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チェス界の天才は1975年に色々なトラブルで引退同然となった・・・チェス界から早く引退したことがある程度彼が天寿を全うできた理由かもしれない。

ところで最近ではスーパーコンピューターが人間の頭脳を凌駕する時代になってきている。つまらない世の中になっちゃったね。

tatsutatsu

 

 

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